銭形平次捕物控傑作選 1 金色の処女 (文春文庫 の 19-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2014年5月9日発売)
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感想 : 7

◆ お風呂でミステリ ◆ 第十三回

・・・ 第十三回 「銭形平次」 ・・・

しばらく続くよ、捕物帖……。
第二段はもちろん
「銭形平次」です。
作者は野村胡堂……。
この頃には“半七”は大ベストセラーでしたから、わが社でもあのようなものを、と頼まれて書き始めたら、それがライフワークになってしまったそうです……。
半七、がそこはかとなく武士の教養を感じさせ、端正なのと比べると、平次は色っぽくて賑やかで庶民的です。
平次自身が水も滴る若くていい男、で美人で焼きもちやきで気の利く恋女房とおっちょこちょいな手下が二人……というスタイルなのですから、まあ、賑やかになるよね。
で、383編書きました。
月に一本としても、30年だよ!?

特に“銭形”は昭和になってからも長いことテレビドラマでやっていたので、一般的には“半七”よりも知名度は高いと思います。
また、大川橋蔵が、はまり役だったんだよねぇ。
もっともいまのひとにとっては、“ルパン三世”の銭形警部、かもしれないけど……。

作者の野村胡堂は“あらえびす”というペンネームで音楽評論もやってました。
この頃は評論家、という仕事がまだ成立していたわけです。
また娘の松田けいこ(彼女の字がでない)は一世を風靡した少女小説家でした。
“すみれ”“しえんの苑”等、探偵依頼で何冊も探したものです。

もちろん、公共図書館の時代劇コーナーには全部揃ってて欲しい……。
383編あるわけですから、当分楽しめますよ(^^)

2017年09月05日

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 【連載】お風呂でミステリ
感想投稿日 : 2017年9月6日
本棚登録日 : 2017年9月5日

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