ミニスカ宇宙海賊8 紫紺の戦魔女 (朝日ノベルズ)

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2012年4月20日発売)
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本棚登録 : 197
感想 : 9

今回もグリューエルは通常運転。と言うよりもこのメンタルと思考力は今まで見てきた作品の中でもそうそういない位強い。
海賊ギルドも人身売買は禁止しているし、基本的にここで活動している「海賊」と名のつく者に関してはそこまで無法者な人物は存在しないんだろうか? 一応紫紺の姉側は売春とかそういったことに手を出している描写はあったが直接手をかけているようには見えなかったし、どちらかと言うと指示する元締め的なポジションだから単純な悪役にはしないということか。
P120で解説されている「海明星」はどことなくアメリカの独立と同じ位の歴史という感じをなぞっているのかもしれない。発見から開拓と独立戦争までがだいたい一致している印象、銀河帝国はちょっと別な要素になっているけど。
グリューエルは学校からの事件に関連すればお約束的に出発する車の前に出てくるけど、この辺は独自に手に入れている情報網と関係なく漫画っぽいコテコテ感が強いかな? 正直ここまで来るとちゃんとしてメンバーとして呼び出してもいい気がする。姫としての立場とかが邪魔をしているのも判るけれども、ついに「こんな事もあろうかと」のフレーズが出てきてなんとでもなる気がしてきたので実質的に主人公メンバーと同じかそれ以上に存在感があるから、もう少し自由に動けていかないと物語の入りが変になってくる気がする。

海明星が実質の植民星本部の艦隊司令部にあるっているのはどのくらいの規模なんだろうか? それにしても過去のヨット部航海が全部筒抜けにしていることにはどこか齟齬が出てきそうな気がする。そうするとガーネットAの作戦の際には無茶をしているようにも見えるが・・・

教育実習生として潜入とかはよくあるラノベみたいな感じに見えるんだけれども、どうだろうか? これは元がこういう感じに作られていたのか、それとも段々と現代っぽい設定を流用し始めているんだろうか。何と言うか元のテイストよりも文章的に柔らかい流れになっている気がする。

司令部を探索しているリンとグリューエルの会話にあった危機管理についても、今回の話しの中だと目立っている気がした。

降伏文書に関しては、共同で署名をしてそれを電子データでもなんでも各星系の宗主へとバックアップを用意しいるレベルの重要事項なのに、処分せずにとって置いておかれているというのも変な話だけど。

ジャッキーの強化人間っぷりは前巻からも読み取れていたが、この世界観から初めて人間としての能力がどこまで強化できるかを読める事になった。抗ウイルスと身体能力だけでなく思考力とかも増強できるのか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 朝日ノベルズ
感想投稿日 : 2012年5月1日
読了日 : 2012年5月1日
本棚登録日 : 2012年5月1日

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