フランス革命を扱った作品は数多くあるが、その中でも本書が優れているのは、「バスチーユ襲撃」や「国王と王妃の処刑」といった、目立つような部分でないところだ。まだ「上」しか読んでいないが、マルグリッドという最下層の少女を登場させてマリーアントワネットと対照的な位置の人間として描き、やがて二人が(間接的にだが)関係することとなる。革命の主体は「庶民」だが、その庶民を一つの動きとして捉えるだけでなく、何人もの庶民を具体的に描き、実際彼ら一人一人が何を考え、どう行動していたのか、そこにも焦点が当たっていた。
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- 感想投稿日 : 2022年10月14日
- 読了日 : 2022年10月14日
- 本棚登録日 : 2022年10月5日
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