かたみ歌 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2008年1月29日発売)
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本棚登録 : 2826
感想 : 468
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初めて読む、朱川湊人さんの作品。
7つの連作短編集。

舞台は昭和40年代の東京下町、“アカシア商店街”というアーケード通りとその周辺の街。
この時代は子供も沢山いて、商店街も大変賑わっている様子。
レコード屋のスピーカーからは古い歌謡曲が流れている。

私の頭の中は、セピア色の古い昭和の街にタイムスリップした感じ。
でもこの作品は、そんなノスタルジックなだけの作品ではない。
黄泉の国と繋がっているらしいお寺があり、7編それぞれ、死や霊にまつわる不思議体験のお話。

どの登場人物も、幽霊を普通に受け入れている(怖がらない)のが良い。
本来こうした“不思議”は私達の身近なところあり、共存しているのかな、と思った。

私が好きなのは、次の3編。
「栞の恋」 古本に手紙を挟み、文通する話。
「ひかり猫」 漫画家志望の男と猫の魂の話。
「枯葉の天使」 最終話、全てのストーリーが繋がる。

最後に全ての謎が解け、ひとまとまりになる様は、見事です。

この本を紹介して下さったshukawabestさん、ありがとうございます!
他の朱川さんの作品も読んでみたいです!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 2022
感想投稿日 : 2022年6月28日
読了日 : 2022年6月28日
本棚登録日 : 2022年6月12日

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コメント 8件

ひろさんのコメント
2022/06/29

あおいさん
ほんと、不思議なんだけど身近にあるかもって思わされますよね(*^^*)
あおいさんの好きな3編、どれも読後感が温かくてよかったです♪

aoi-soraさんのコメント
2022/06/29

ひろさん、おはようございます!
やっぱり“栞の恋”だよね〜♡
時空を超えて繋がる。しかも古書店、手紙。
って言うのが素敵(^^)
映像まだ観てないから、今度観てみるね。

おびのりさんのコメント
2022/07/03

あおいさん、こんばんは。
栞の恋ですよね。
ドラマ化も良かったですよ。
by おびのり

aoi-soraさんのコメント
2022/07/03

おびさん、こんばんは。
うん。やっぱり“栞の恋”。

この「かたみ歌」という作品、読了後もついパラパラと読み返して確認したくなるの。
じわじわと良さを感じる(◡ ω ◡)

shukawabestさんのコメント
2022/07/31

shukawabestです。こんばんは。
すみません。読んでいただいたんですね。一か月以上前に。今、気づきました。本当にすみません。
また、お時間があるとき、朱川さんよろしくお願いします。
「かたみ歌」の中では『栞の恋』が有名で、僕もいちばん先に惹かれましたが、今は『枯葉の天使』が強く心に残っていて、珠玉の作品だと思っています。
ありがとうございます。
今後もよろしくお願いします。

aoi-soraさんのコメント
2022/08/01

shukawabestさん、おはようございます!
今、「花まんま」読んでます^_^
まだ最初の2話ですが、ホラー要素強めで、この暑さの中ピッタリな感じですね。

おびのりさんのコメント
2022/08/01

おはようございます。
私は、次は、いっぺんさん読もうと思います。
どうだろう。

shukawabestさんのコメント
2022/08/01

ありがとうございます。朱川さんを話題にしていただくだけで幸せを感じます。ただ「花まんま」も「いっぺんさん」も悪趣味なものがありますので、何卒ご勘弁の程を。

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