再読。それも何度目か分からないほど。
中学の頃に今でもどうしようもない気持ちを湧かせる友人に薦められた一冊。山本文緒さんが嫉妬したという作品。
王寺ミチルはカイロプラクティックという劇団を主催する。レズビアンであり、女たらしの、永遠の少年を魂の双子に持つ。横暴と傲慢と純粋と絶望の甘さに酔うナルシスト。
彼女を支えた人々は彼女を愛し、憎み、守り、叩き潰し、演劇の神様のもとへ引き摺り出す。
栄光は一瞬で彼女を焼いて影にしてしまう。こびりついた影のなかで彼女の心臓はやはり演劇の神のもとで一脈を生み出す。
血で濡れたような文章。坂を転げる身は炎に巻かれている。中山さんの処女作はまるで生まれたての赤子のように女の血でぬらぬらとして恐ろしいまでの自由の前に泣き叫んでいるように感じる。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
少女
- 感想投稿日 : 2014年3月20日
- 読了日 : 2014年3月20日
- 本棚登録日 : 2014年3月20日
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