鉢の木 (日本の物語絵本 16)

  • ポプラ社 (2005年11月1日発売)
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本棚登録 : 76
感想 : 12
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[墨田区図書館]

図書館の特集コーナー"かみさま"にあった一冊。「竜のすむ島」で著名なたかしよいちの絵本だけあって、いかにも昔話で読み聞かせにも使えるかも、と思える表紙絵が目に留まって立ち読み。ただこの本の"かみさま"は神様ではなく、(主人公にとって)"かみさまのようにえらい雲の上の人"といった立ち位置の人との話だった。

出典は謡曲(能の脚本)から来たものらしく、話の流れとしてはかさこじぞうや何かの昔話でよくあるように、身分を隠した相手から一宿一飯の恩義を受けるという話。

主人公の佐野源左衛門常世なんて知らないなぁでもこの話で有名な人なのかなと思いつつ読んだら、主人公自体は架空らしい。ただ、かみさま扱いの「最明寺入道時頼」は鎌倉幕府第5代執権北条時頼のことで、その諸国巡りにちなんだ逸話(というか寓話?)らしい。そして今もことわざとして使われる"いざ鎌倉"はこの話から生まれたというのも初耳。

こういう裏ネタ?があると、一気に印象深く面白く思えてしまうな。単なる昔話としてではなく、能を学んだ時とか、6年の歴史で鎌倉幕府を学んだ際にも絡んで使えそうな本。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 自分用
感想投稿日 : 2020年10月5日
読了日 : 2020年10月5日
本棚登録日 : 2020年10月5日

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