ワンダー Wonder

  • ほるぷ出版 (2015年7月18日発売)
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オーガストは、両親、姉と暮らす10歳の少年。「顔」を除いては、普通の少年だが、下顎顔面異骨症ほかの問題があって、生まれてから27回の手術を経験し、そのために学校へ行っていなかった。
中学校から初めて学校に通うことになったが、その「顔」のために、辛い経験をする。
しかし、少しずつ仲間が増えていって……。

オーガストの周りに起きる出来事、思春期の少年/少女たちの葛藤を、本人、姉、友人たちそれぞれの立場から描く。


う~ん。アメリカの作品らしい作品です。

スターウォーズほか、アメリカ映画のエピソードが随所に出てきます。特にスターウォーズは、前半、知っていて当たり前のように登場するので、知らないとわかりにくい思いまでします。

ストーリーの展開がわかりやすいです。
最初はほとんどの生徒にいじめられたり、避けられたりしながらも、少数の仲間がいて、がんばっているうちに仲間が増えてくるという話。そして最後には、栄光で幕を閉じるのです。


前半は特に、オーガストの友だちも少なくて、しかもその友だちからも裏切られていたという展開で、読みながら胸が痛みました。
でも、後半はとても素晴らしくうまくいって、少々の障害さえも飛躍のためと思えるくらいでした。

また、少々ひねくれて甘えん坊だったオーガストが、なんか突然(性格が)イケてる男子になっていたのは驚き。
また、オーガストのことで両親に不満を持っていた姉も、彼には純粋な愛を注いでいて、正直現実はこうはいかないのではないかとも思いました。
いじめっ子のジュリアンとその両親以外はみーんなオーガストの味方の「良い人」になりましたが、この平面的な終わりかたには違和感を感じます。

とはいえ、高学年向きの児童書であればこれで良いのでしょう。

文章量が多いのと、扱っている内容が重い(特に前半)ので、中学生向きかと思いましたが、後半軽いので高学年で良いでしょう。ただ、ぜひ、がんばって前半を切り抜けて後半まで読んでほしいです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 児童書
感想投稿日 : 2016年3月14日
読了日 : 2016年3月14日
本棚登録日 : 2016年3月14日

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