大日本帝国の興亡〔新版〕4:神風吹かず (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)

制作 : John Toland 
  • 早川書房 (2015年7月25日発売)
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本棚登録 : 112
感想 : 5

レイテ、硫黄島、そして沖縄。悲惨な負け戦が続く。勝ったら勝ったで、負けたら負けたで、大日本帝国の戦は敵や味方の命を無駄に散らしていく。著者トーランドはアメリカ人なので、大日本帝国軍が侵攻先を蹂躙する話はあまり出てこない。代わり?に捕虜を虐待する話はたっぷり出てきて、気持ちが悪くなる。生存者のインタビューに基づくものと思うと、なおさらだ。
硫黄島の栗林中将の死に様は、当時の軍人の一つの理想型なのだろうと思うし、今の人が尊敬する気持ちもわからないでもない。とはいえ、降伏せずに2万人の兵士が死んだことを考えると、それは本当に偉業なんだろうかと考えずにはいられない。後世からの後出しジャンケンであることはわかっているけれど。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 歴史・ドキュメンタリー
感想投稿日 : 2015年9月10日
読了日 : 2015年9月10日
本棚登録日 : 2015年9月6日

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