ジョン・マン 波濤編

著者 :
  • 講談社 (2011年1月6日発売)
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感想 : 39
4

以前に米国側から描かれたジョン万次郎の物語を読み、
日本人が描くのとどう違うのか興味を持ちました。
やっとこの大作を読むことができました。

山本一力さんの「ジョン・マン」三部作。
残念ながら、1巻とかの表示ではなく、
「波涛編」「大洋編」「望郷篇」となっています。

表題だけではどれが最初かわからないなと思っていたところ、
裏表紙に描かれた万次郎らしき少年の後ろ姿が
徐々に成長していくように描かれているのに気がつきました。
1巻から3巻まで、
万次郎の成長で年代がわかるように工夫されていたのです。
なるほどなと感心しました。

というわけでまず
背丈もかわいい小さな万次郎が
岬にたたずんで海を見ている「波涛編」が最初です。

この作品では、万次郎の幼少期を書いています。
土佐の漁船の飯炊きとして働く7歳の万次郎が
母親を侮辱されて争いごとをおこし、
追われるように生まれ故郷を旅だって
別の土地で漁師として働らいていました。
万次郎14歳のある日
船で漁にでて嵐にあい、4人の仲間と「鳥島」へ流されます。
150日たったころ、やっと
通りかかった米国の捕鯨船に発見されたのです・・・。

米国の捕鯨船状況と
万次郎の様子が交互に書かれていて、
いつリアルタイムで遭遇するのか、気になっていました。
遠くがよく見えるという特技がある万次郎少年は
働き者で料理上手ということで、船員たちから重宝がられていました。
幼少のころから
万次郎は恵まれた性格の良さと、幸運をもっていたのです。

助けられてから米国人とどう接していったのか、
次の「大洋編」が楽しみです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2013年8月7日
読了日 : 2013年8月8日
本棚登録日 : 2013年8月7日

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