送り火

著者 :
  • 文藝春秋 (2003年11月10日発売)
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本棚登録 : 439
感想 : 82
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新宿から出ている鉄道、富士見線。
その鉄道沿線の街に住む人々の
日常の喜びや哀しみ、人生の辛さを、
重松さん独特の温かさと切なさで描いた短編集でした。

・身寄りのない老人の行く末を描いたホラー作品 『フジミ荘奇譚』
・女性のホームレスをネタにしたライターの話 『ハードラック・ウーマン』
・幼少期に亡くなった子供の姿を追い求める夫婦 『かげぜん』
・子どもの遊び場を探し求めるママの姿を描く 『漂流記』
・いじめに負けないでと願う駅員の話 『よーそろ』
・1970年代の終わりに活躍した
  ライターの行く末 『シド・ヴィシャスから遠く離れて』
・母子家庭で娘を育て上げたその後の母の姿を描く 『送り火』
・離婚寸前で別居中の夫には
  駅のホームで病死した男の幽霊が見えるという 『家路』
・家族が気に入るような墓地を購入する話 『もういくつ寝ると』

平凡な家庭におけるさまざまな悩みや苦しみが書かれています。
幽霊も出てくるし、謎の猫集団やお墓のはなしも。
どれもちょっと気味が悪いのですが、切なくて・・・・
都会の幽霊ってこんな感じで哀しい過去があるのでしょうね。
こんな人生ホラーは
ぜひ知っておくべきだと思う作品でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2016年9月8日
読了日 : 2016年9月8日
本棚登録日 : 2016年9月8日

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