母なるもの (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1975年8月27日発売)
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本棚登録 : 249
感想 : 22
5

序盤、読み進めることに少し苦労した。何故ならば、主人公が中年以降の男性という設定であり、更に人生に多少の疲労感を持っていたり、どう頑張っても私の人生経験では想像してもし尽くせないほどの深みを秘めていたからだと考えられる。
日本の隠れ切支丹の「痛み」と「母なるものへの祈り」に触れて、隠れ切支丹の祈りを伝承するという精神的難しさについて想像が膨らんだ。また宗教問題から切り離して、「痛み」「母なるもの」に対する心情に個人的共感を少なからず感じた。
『沈黙』など他作品と関連する内容や、主人公描写が著者について、類似性を考えながら読み解くことも興味深かった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説
感想投稿日 : 2011年6月1日
読了日 : -
本棚登録日 : 2009年3月25日

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