ヘヴン (講談社文庫)

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  • 講談社 (2012年5月15日発売)
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4

いじめの話。

いじめについて考える。

いじめを防止するための教育は大事。
ほんとに。
だけれど。

小学校や中学校のいじめは『その学校の、そのクラスの、いじめる人格をもった人がいる場所に行くことを強制される仕組み』を変えないとなくならない。

いじめは、ダメですよー
傍観は、ダメですよー

って、大人が言えばなんとかなる、わけない。

いじめが発生すると、ただ平穏に過ごしている子どもまで、傍観者もいじめだと大人に強い言い方をされて非難される。やばい人格の人が同じクラスにいるだけで、そのクラスに配属された子どもたちは、後々まで自分を責めたり、何もできなかった自分に苦しんだりしないといけない。

そもそも、いじめを見たことも聞いたこともない人なんて赤ちゃんくらいだろう。

時には、遺伝レベルで人を傷つけたくてたまらない人格の人がいる。その人格を何とかしようなんて、担任でも校長でも教育委員会でも無理。

いじめ主犯格は、自分の手をくださないパターンは多い。
弱い者をいじめているグループの、グループ内でのいじめ、これも多い。
いじめが発生する場所では、対象は1人じゃない。対象は、ループする。
単純じゃない。

いじめられたら逃げろ、とかじゃなくて。
いじめが発生する場所に行かなくても、勉強やスポーツができて、友達ができて、「自分っていいな」と思える場所を選べるように、大人たちがしないといけない。

高校だって、大学だって、中退という選択肢以外をたくさん作ればいい。

そんな環境って今の日本にあるのかな?

せめて私の近くにいる人くらいには、ここは安心と思える環境を作れたらいいと思うけれど。
世の中、いい人ぶってるやつが嫌いという理由で、いじめが発生するから、やっぱりいじめはなくならないと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2024年3月29日
読了日 : 2024年3月29日
本棚登録日 : 2024年3月28日

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