王様の恋愛美学: 准教授杉崎桂一郎 (白泉社花丸文庫 ち 1-3)

著者 :
  • 白泉社 (2011年2月18日発売)
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感想 : 10
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R2(冷血の麗人)と呼ばれる杉崎准教授は、独自の感性と考えで行動していた。彼の授業では遅刻五回で落第だと名言されていたが、家庭の事情で遅刻してしまった三郎の話を聞き、罰則ではなく誠意を見せるように説くのだった。

と、ここでの誠意はBLあるあるの身体を求めるものではないことを伝えておきましょう。
杉崎センセにとっては、裏表もない誠意なのだ。
それに応える三郎の誠意はちゃんと読んでみて欲しい。

しかしchi-co先生が熱を込めた杉崎センセの可愛さは十分に伝わりました。ええ、もうこんなに攻め様に感情移入することあまりないくらいに…。各章のサブタイトルも大好きです。

むしろ三郎の印象は器の大きい母性溢れる人物。というような印象なのに対して、杉崎に対する思考の描写の一つ一つの細かさに愛おしさが溢れてて…。
おそらく読者も三郎と同じように杉崎センセの可愛さにほだされていってしまうことでしょう。
頭が堅いと思いきや最初の三郎の話を聞くところや、自分の知らない分野を生徒から授業を受ける姿勢を見ると逆にとても柔軟なのでは?

というか最後の最後の提案ですが、あれだけ三郎一家が三郎に頼りきりな様子を見ると、恐らく難題なのではないかと思いますよ、杉崎センセ。
あの数秒後の2人の顔が目に浮かびます。

タイトルのセンスが好きで、ほぼ作家買いをしているのにまだ一冊も読んでなかったchi-co先生。
読んでみて、いや読みながらやっぱり好き!と思いました。


読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: BL文庫
感想投稿日 : 2022年10月15日
読了日 : 2022年10月15日
本棚登録日 : 2021年10月28日

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