図書館のレファレンスコーナーを利用したことはありますか?
本書は普段行く図書館の司書さんに選んでいただいた物。
私の話をメモしながら聞いてくださり、「これがいいですよ!」と出してきたのが、北村薫さんの「スキップ」「ターン」「リセット」であった。
不思議な体験(冒険物以外)をしつつ心温まる話を求めていた。自分で調べて借りても好みが違い、返却することを繰り返し、自力で探すのは難しいなと困っていた。
そこであのコーナーに勇気を出して一度飛び込んでみるかと。
でもレファレンスコーナーは、何か調べ物があり、その資料を探してくれるような所、小説まではどうなのよ…!?とうろうろしていたところ、
「どうしましたか?どうぞ、何でも相談してください」って。
そんな経緯で青山美智子さんの「お探しものは図書室まで」、みたいな体験をした。
そして「またいらしてくださいね」とまで言ってくだすって…(;_;)行くわ〜また。
ヨシタケシンスケさんの「あるかしら書店」にあったように、「(図書館で働く人は)本が好きな人のことが好きな人」ってホントなのかなと信じたい(^_^)
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17歳の「私」が25年後の「私」にスキップしてしまう。
私は後者の年齢層なので、少女時代もあった私の懐かしさと、今を生きる私とどちらも感情移入できた。
25年後の「私」は家庭を持ち、高校の国語の教師になっていた。
スキップしたことを受け入れ、適応しようとする「私」の意思の強さや行動力が素敵であった。とてもできることではない。
その一方、現実も目の当たりにする。
両親は?私は帰れるのか?
そして記憶喪失の状態なのではないか?という疑問……
いや、違う。私の25年間は、忘れてしまいたくなるほどの生き方をしてきたと言うのか?
結局、元に帰れないのだ…。両親にも会えない。
この描写には泣いた。
二度と手にできないもの(過去)がある一方、今のこの時を大切に過ごそうと思った。
また基本的に変わらず、しかし色々な経験を積み重ねて少しの知恵や知識を得ている今の自分を肯定しつつも、
若々しいあの頃の純粋なキレイな気持ちみたいなのはどこに行ってしまったのか…取り戻したい、取り戻せるはずとも思った。
しかしよく考えると空白の25年間は何だったのか。もやもやしている。描かれていないことがいいのかもしれないのだが…。
読解力の問題か。また読み返してみよう。
- 感想投稿日 : 2022年5月7日
- 読了日 : 2022年5月7日
- 本棚登録日 : 2022年5月7日
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