疑心: 隠蔽捜査3

著者 :
  • 新潮社 (2009年3月1日発売)
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感想 : 187
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第3弾にして初めて感想を書いてみる。

主人公竜崎伸也の、自宅での朝から始まるのが好き(1、2もそうだったような)。
真面目な正義感が魅力的。信頼できる。
今回も竜崎らしいことを言っていた。特に良かったのは女性警察官についての考え。
「女性キャリアは男性に比べて出世が遅い。だが、警察の仕事に女性も男性もない。与えられた仕事に全力を傾けることが大切だ」。
しかし今回は、竜崎も恋をするのかと、らしくない感じで正直嫌だった。禅宗の本で己の気持ちに向き合ったのは竜崎らしい。

私がこの「隠蔽捜査」が好きのは、主人公竜崎の心情を軸にして話が進行するところにあるのかなと思っている。竜崎の言葉で溢れ、しっくりと読者に入ってくる。読み出すと止まらなる。
そういう感じは、何となく乃南アサさんの小説「女刑事音道貴子シリーズ」の魅力に似ているような気がする。
人間模様や、人物の心理描写がうまい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本文学:作者か行
感想投稿日 : 2022年3月28日
読了日 : 2022年3月28日
本棚登録日 : 2022年3月28日

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