久々に読書の醍醐味を味わえた1冊でした。
なぜ経験豊かな9人の若い登山家たちが、マイナス30度の極寒の冬山で薄着で靴も履かずテントからかなり離れた場所で死んだのかという謎に迫ったドキュメンタリー、まさに事実は小説より奇なりを地で行く展開は上質のミステリーです。
これから読む人のために、著者の下した結論(推論)には触れませんが、本書で繰り返されるように、「不可能をすべて消去したら残された可能性が真実だ」というシャーロックホームズの言葉を借りてもなお「消去したら何も残らなかった」事態には対処の仕様がないわけで・・
1959年に起こった未解決の事件を2013年に現地に赴き関係者の話を聞いて書き上げた本書は、あくまでも真相を知りたいという人間の本能的な好奇心にチャレンジした意欲的な作品になっています。
本書には多くの写真や図表が掲載されていますが、唯一9つの死体の位置関係の図だけがなかったのが残念でした。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2019年10月21日
- 読了日 : 2019年10月21日
- 本棚登録日 : 2019年10月21日
みんなの感想をみる