趣向を凝らした格調高い文芸ミステリーです。
芥川のある謎のことばにひっかかり、その真意を残された文献や書簡などから迫るという趣向は、松本清張の「ある小倉日記伝」を彷彿とさせます。
実はこの本も、小谷野敦氏が推薦していた本ですが、そういえば彼の著書「芥川賞の偏差値」で「ある小倉日記伝」も64と高評価だったことを考えればこうした地道で正統派の労作が好きなのでしょうね。
確かに、試行錯誤しながらも徐々に真相に迫っていく過程は、推理小説のようなスリリングさとさらに知的興奮も加味されており、より味わい深い作品となっています。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年10月26日
- 読了日 : 2018年10月26日
- 本棚登録日 : 2018年10月26日
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