なんというか、すごいものを読んでしまった。
すべての話が目の前に映像が浮かぶような視覚的な文章で書かれていて、幻惑される。ひとつひとつ文体を変えて書いているとのことだけれど、根底に山尾節といっていいのか、一貫したものが流れていて、作者を知らずに読んでも、これは山尾さんの話だとわかるような気がする。
作品世界は頽廃的なものが多く、透明でふわふわしたものではなく、鉱物的なごつごつとした肌触り。なめらかな絹や天鵞絨だと思っていたら、乾いた血でごわついている部分を見つけてしまったような不安を感じたりもする。
好きなのは『遠近法』『パラス・アテネ』『ゴーレム』。
他にも好きなのはあるけれど、とても書ききれない。
ホント、すごい話に、すごい作家に出会ってしまったと思います。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
SF・ファンタジー・幻想
- 感想投稿日 : 2013年7月23日
- 読了日 : 2013年7月22日
- 本棚登録日 : 2013年7月22日
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