獄の棘 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2017年1月25日発売)
3.47
  • (2)
  • (18)
  • (21)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 172
感想 : 13
3

有罪判決を受けた被告人が控訴するかどうかを賭けるギャンブル"赤落ち"。
先輩刑務官たちの姿に新米刑務官の良太は戸惑うが、賭けに勝つため解き明かされた真実に心を動かされ……。


新米刑務官を主人公とした、連作短篇社会派ミステリです。WOWOWでドラマ化もされた一冊。
刑務所内という特殊な舞台設定の中、そこにある事情や人間描写・人間関係がリアル。先輩刑務官やキャリアの統括、収容者たちとの交流を通じながら刑務所の闇に迫り、刑務官として成長してゆく姿を描いています。
テーマは重いですがどの話にも情があり、読後感はそれほど悪くありません。

善も悪も、一概に断定することのできない難しさ。その難しさの中に人間の人間らしさがあるようで良いですね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ
感想投稿日 : 2023年6月21日
読了日 : 2023年6月21日
本棚登録日 : 2023年6月21日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする