母と子を巡るミステリ。とある家庭で過去に起こった痛ましい事件。それを中心に、過去と現在を彷徨いながら語られる物語は、緩やかで穏やかなのだけれど。どこかしら不穏な印象を漂わせています。だからこそ読み進むうちに、とても理想的に思える家庭の歪みが見えてくる気がするのが怖い、というか悲しいような。
事件の真相が暴かれるようなミステリではないのだけれど。謎めいた部分は多くて、引き込まれます。
それにしてもラストの鈴子の言葉が凄い。あれで一気に感動してしまいました。身近にいて振り回されたら大変そうな人なのだけれど。一番魅力的かも。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ミステリ
- 感想投稿日 : 2016年5月31日
- 読了日 : 2016年5月31日
- 本棚登録日 : 2016年5月31日
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