あるフィルムの背景: ミステリ短篇傑作選 (ちくま文庫)

著者 :
制作 : 日下三蔵 
  • 筑摩書房 (2017年11月9日発売)
3.38
  • (3)
  • (9)
  • (10)
  • (3)
  • (1)
本棚登録 : 137
感想 : 11
4

ミステリ短編集。でも実は、それほどミステリっぽくない印象のものも多い気がしました。だけど特に事件が起こるわけでなくとも、心理的にじわじわと嫌な感じが漂う物語があって、その結末に驚かされるのでこれはやっぱりミステリなのだなあ、と認識させられます。一見地味だけど、読めば読むほどじわじわ来るなあ。
お気に入りは「みにくいアヒル」。とにかく主人公は気の毒なのだけれど、それでもまあまあうまく生きられていると思っていたのに。まさかそんな選択を! でもそれが幸せと思えるのかあ、と何ともいえず切ない気分になりました。同じような印象で、「老後」も幸せの意味を考えさせられますね……。
「絶対反対」にもやられました。とても短い一作。なだけに、これに気づかなかったよ! と驚愕。あまりにシンプルなだけにガツンと来た感じでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ
感想投稿日 : 2018年2月28日
読了日 : 2018年2月28日
本棚登録日 : 2018年2月28日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする