日本探偵小説全集〈1〉黒岩涙香 小酒井不木 甲賀三郎集 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (1984年12月22日発売)
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感想 : 13

黒岩涙香集は、ややとっつきに苦労しました。会話・改行ほぼなしの活字べったり。さらに古めかしい文体。活字嫌いならめまいがしそうです(笑)。でも頑張って読んでみたら、面白い! 謎解きの面白さもさながら、「無惨」の探偵対決はコミカルですらありました。
小酒井不木集では「痴人の復讐」がとんでもなく恐ろしくって印象的でした。これは嫌だなあ……いくらなんでもそれはない! 「恋愛曲線」のラストにもやられました。
そして甲賀三郎集。メインとなる「支倉事件」は実際の事件をモチーフにしているようですが。これがまあなんとも読み応えたっぷり。支倉のキャラが凄まじいったら。それに対抗する警察の奮闘っぷりと紛糾する真実の追求も一層物語の展開に拍車をかけるのだけれど。まさかこういう結末だとは。
短編「蜘蛛」も面白かったなあ。作品の雰囲気も好きだけれど、なんといってもこの大仕掛け! やっぱりこういうミステリが大好きです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ
感想投稿日 : 2017年8月9日
読了日 : 2017年8月9日
本棚登録日 : 2017年8月9日

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