本土への空襲が激化するなか、夜間戦闘機「月光」に乗りこんだ海軍中尉。B29の編隊との戦闘で被弾し、厚い雲に突っ込み意識が薄れてゆく。気がつけば現在の厚木基地にタイムスリップしていた…
負傷しながらも、タイムスリップして助かった海軍中尉が、タイムスリップした事実を受け入れ、戦後の発展や現代の日本の問題を知り、自分が生き残った意味を問うていく。その中で靖国神社の問題を知る。
戦友と死んだら英霊になり靖国で会おうと言い合い、祀られることを名誉に思っていた兵士が、現代の靖国神社に関する論争を知って衝撃を受け、ある行動にでる。
タイムスリップというSF的な話から始まるので、どんな展開になるのかワクワクしながら読める。今の政治や政治家、マスコミのあり様、夢を持たない若者など、日本の様々な問題を織り交ぜながら話は靖国神社の論争へと移るが、決して重苦しい感じはせず、様々な立場からの靖国神社論が知れて勉強になった。
最後、ある年配女性の言葉がぐっとくる。軍人さんが靖国神社に還るという気持ちは分かるが、それは男性の考え。女性は、愛する人や家族には自分の心に還ってきてほしいと思っていましたよ…と。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年8月28日
- 読了日 : 2011年8月27日
- 本棚登録日 : 2011年8月27日
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