話題作だったので図書館で予約をしてたら、偶然友人が持っていたのでお借りしました☆
・病気や運動神経などだけでなく、タブー視されるIQや犯罪気質、依存症、精神病なども実は遺伝する。努力は遺伝には勝てない。
・遺伝の影響はあらゆるところに及んでいるが、共有環境(子育て・教育)は人間形成にほとんど影響できず、むしろ学校や友人等の非共有環境は多大な影響を与える。
よって人間は、遺伝と非共有環境によって「わたし」になる。
という遺伝と進化論を語ったのが本書です。
参考文献を多数紹介しながらの遺伝の分析には説得力があるけれど、その結論はちょっと偏りすぎている気がしました。
全ての専門家が賛同しているわけではないだろうに、結論ありきで引っ張ってきたものもあるのでは?と疑わずにはいられません。
それくらい衝撃的ということなんですけどね。
でも以前、アンジェリーナ・ジョリーが遺伝的に乳がんになりやすいことが判明したという理由で切除したことが話題になりました。
遺伝による欠点に目を背けるのではなく、知ったうえで本人が選択する時代が実際に来ているかもしれません・・・
とはいえ、本書では、
・脳スキャンとDNAテストを受け、(犯罪性等が)陽性と評価されたものには、無期限の施設への収容が言い渡される。
・子供を対象に、各種テストを受け、将来の犯罪を予測する。
・犯罪の生物学的基礎を考えるならば、出産に免許制を導入する。
等、過激過ぎることも言っていて、そのあたりには嫌悪感を覚えました。
生物学としての論理と、道徳観倫理観が両立する落としどころはあるのでしょうかね。。
- 感想投稿日 : 2016年10月3日
- 読了日 : 2016年10月3日
- 本棚登録日 : 2016年10月3日
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