氷雪の殺人 (文春文庫 う 14-2)

著者 :
  • 文藝春秋 (2003年11月7日発売)
3.24
  • (5)
  • (8)
  • (36)
  • (5)
  • (0)
本棚登録 : 182
感想 : 14
4

 「トラベルミステリーかと思いきや、やっぱり社会派だった」という印象。2003年の作品。浅見光彦シリーズはほぼ10年ぶりに読んだため、最近の作風がどうだかはわからないが、かなり異色なのではないだろうか。後味はあまりよくないが、当時の世相や事件なども反映されている。話のスケールはものすごく大きいのだが、浅見光彦の立場だからこそ、それも可能という意味では、軽いものから重いものまで扱える、かなり万能な主人公だなぁと改めて感じた。重い社会派的内容を、ライトに読ませることができるエンターテインメントという意味でも、今のライトな本が受けている世の中の傾向を考えると、入門変としてもすすめられる作品のような気がする。

 個人的には、母が友人から借りたものを、またがりした作品。もうどのくらい浅見光彦シリーズなんて読んでなかったんだろうと考えると、これが2003年の作品らしいので、少なくとも、10年は手にしていなかったよう。北区出身の私としては学生時代はかなり身近な作品で、よく平塚亭にも足を運んでいたのだが、なぜだか、遠のいていた。改めて読んでみると、当時とはまた別のよさを感じられた。また久々に縁があったら手に取ってみようと思う。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文芸作品
感想投稿日 : 2019年5月21日
読了日 : 2011年3月16日
本棚登録日 : 2019年5月21日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする