島はぼくらと

著者 :
  • 講談社 (2013年6月5日発売)
4.02
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本棚登録 : 4972
感想 : 710
5

島育ちの男女4人の高校生が中心の青春物語。
1人でいたい時もあるし、誰かといたい時もある。そこらへんのバランス感覚が孤立した島内ではいろいろ難しそうだけど、過疎化防止に新しい産業興したり、Iターン受入れとか積極的にテコ入れしたり、それに絡んだ問題とかいろいろあるなか未来へと繋がっていくところが素敵でした。
「青空と逃げる」で登場した地域活性デザイナーの谷川ヨシノや「スロウハイツの神様」の赤羽環もでてきて賑やかでした。
また、かつて「銀色のマーメイド」と言われたシングルマザーは、元オリンピックの水泳選手だったとか、えっひょっとして古内一絵さんの小説にでてくるキャラクターかなってドキドキしながら読んでました。
「幻の脚本」に絡めた話も無茶いい話でブルブル震えました。
そして、最後気になるのは4人の高校生たちの進路ですよね。納得の職業に収まっていくところが感動的でした。別れと再会、人のつながりとあいまって3回泣けました。
酸いも甘いも噛分けた大人たちと違い純真な思いがキラキラしてる高校生たちは青春な感じで、いろんな思惑を呑み込んで時間をかけてゆっくりと熟成していく大人たちの時間感覚と反発しながらも溶けあっていく。
それは、新陳代謝を繰返す生命体のように、この島の躍動する未来の営みに繋がってることを感じて嬉しくなりました。
そして、目移りするぐらい素敵なキャラたちがでてくるのですけど推しはヨシノさんでした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 図書館
感想投稿日 : 2023年11月21日
読了日 : 2023年11月21日
本棚登録日 : 2023年11月21日

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コメント 2件

かなさんのコメント
2023/11/22

しじみさん、おはようございます(^^)
高評価ですね!!
この作品、読む前に「青空と逃げる」を読んだ方がいいんですね!
赤堀環さんも登場するんですねぇ…
読みたいかも♪

つくねさんのコメント
2023/11/22

かなさん、おはようございます♪

1日置いたら書きたらないことが溢れきてるのですけど
女たちの策略は速効性のあるものじゃなく、じわぁーっと漢方薬のように
効いてくきて島に貢献してるところが地味によくって、ヨシノさんがそんな種に水をやって発芽させた感じがするんです。時系列的には「青空と逃げる」のヨシノさんの方が後になりますけど、ヨシノさんの人間像に触れるならこっちを後に読んだ方がいいかも。

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