下巻に入っていよいよ核心部、スロウハイツで10年前の集団自殺を彷彿させるような殺人事件が起こると思っていたのですが違ってました。敏腕編集者の黒木と環が共謀して起こした事件で、人気作家のコーキと彼のファン加々美ちゃんが202号室で心中してて漫画家の狩野がアリバイを崩してゆくって感じだと思ってたんですけど青春ものだったんですねファンの皆様大変失礼いたしました。ジョン・ウィックみてたので、心が淀んでいたのかもしれません。マトリックスのネオの頃はクールにカッコよかったのに随分と月日が流れてあきれるほど復讐の鬼に変わっちゃてるし。
スロウハイツの住人たちはそれぞれ秘密にしてる部分があるのですが、文章に書かれてない行間の空白部分から掬おうとすると、疑いから破滅的な思考になっちゃったり。逆に希望もって夢が膨らんだりするけど。どっちに振れるかは何処に違いがあったんだろう。
それにしても、漫画家志望の狩野って実は金持だったってちゃっかりズルそうな設定でした。
登場人物の視点に惑わされることなく事実を捉えてゆけば真実に辿りつけるのかな。とりあえず見事に伏線回収されたけど、彼のしたことって彼女に知れることないんだろうなと思うとは歯痒いけど、互いを大事に思うことは相手にしれなくても無性に至福なんだなあてところで涙腺崩壊でした。
大人になれば忘れられてしまうと思ってたのに彼女しっかり追いかけてきて、もう感動しかないのに。
「レディ・マディ」チヨダコーキ
「ハロー・レイチェル」 鼓動チカラ
「ダークウェル」 幹永舞
これらみんな黒木プロデュースって抜け目なかったな。
二人の純愛も黒木プロデュースでまとめないとこのまま交わらないんじゃないかな。それはそれで良さそうだけど。
- 感想投稿日 : 2023年10月22日
- 読了日 : 2023年10月22日
- 本棚登録日 : 2023年10月5日
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