神去なあなあ夜話

著者 :
  • 徳間書店 (2012年11月28日発売)
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感想 : 669
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なにげに図書館で借りてきた1冊。
「神去なあなあ日常」だと思っていたのですが帰宅して表紙をよく見ると「神去なあなあ夜話」ってある。続編のほうを勘違いして借りてきてしまいました。
前作読んでないけど入り込めるかなぁと読み始めると、そういえばこんな感じの話し観たことあるのに気がついて「WOOD JOB!」って映画がちょうど前作にあたるんですねww(なんとなく覚えてました)
三重県の山に登った時、ロケ地の看板みかけたことがあり、津市三杉町が神去村のモデルになった場所なんだとか知りました。

ニートだった主人公の勇気も正社員になり、すっかり村に馴染んで溶け込んでいく様子が書かれていました。
繁ばあさんの語る村の伝承を聴いたり、村人は何度か聞いてるみたいだけど、勇気ははじめて。
勇気がどんな反応するのか、みんなが顔色うかがってる光景が浮かびました。池の主だった神様の蛇、村の娘に一目惚れして恋仲になって娘と交わって官能を知るとかww
夜話だけに恋バナに盛上っちゃいますね。
ガールフレンドの直紀さんとの仲もそこそこ順調でドライブに誘ったり、3回に1回はデートしてくれるとか。ある日、親世代の年齢層が少ないことが不思議に感じて直紀さんに尋ねると、はぐらかされて、お墓に行ってみたらってヒントだけもらう。そこで20年前の5月6日に16人もの人が亡くなってたことを知る。導入部分が終わって因習とか迷信とか村の呪いとかそんなドロリとしたミステリーホラーに巻き込まれるのかと思ってたら、意外にありそうな話で盛ってました。
お稲荷さんの話も、願掛けると探し物が見つかるとか、本当は窃盗犯がいたのに、なあなあで解決するあたりがいいなぁ。犯人が誰なのか追及したり罰したりせずお稲荷さんが見つけてくれたんだという事で一件落着。炎上する速さはネットより凄いし犯人が特定されれば村にいづらくなるのは歴然だし慈悲深いお裁きで神様って悪くない存在だって感じました。
山深い村落だからクリスマスも少し形を違えて伝播してるようで夜中に獅子舞の格好してプレゼント配ったとか傑作でしたっw
繁ばあさんがパソコン習って勇気の日記の続きを勝手に創作して書いてるのも笑えましたっw
なんだかんだで勇気と直紀さんの恋の行方を暖かく見守ってる村民達のなあなあぶりが心地よかったです。
それと下ネタ表現が極端に面白くって、ガールフレンドから軽くキスされたことから、妄想が暴走して「俺、これだけで妊娠できるかもしれない」とか勇気がはしゃいでるあたり大爆笑でしたっw

三浦しをんさんのエッセイが大好きで爆笑小ネタ集のような軽快さとセンシティブな切り口も異常な好奇心があり、この人は将来大物になると思ってたところに「まほろ駅前多田便利軒」を発表されすぐに手に入れて読みだしたのですがギャップからか眠くなり挫折、それっきりでした。(何を期待してたんだろう?)
以後、私の読書ブームも終わってしまい。
彼女の小説は手つかずでしたがよく映画やドラマになるので、映像化されたものでいいかなって思ってました。映画の「船を編む」なんか最高にときめきました。

読書ブーム再燃を機に彼女の小説もボチボチ読んでみようかなって思いました。
あっ、こんど三年半ぶりにエッセイ集だしたのでそっち先に読みますけどww
 

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 図書館
感想投稿日 : 2023年2月22日
読了日 : 2023年2月22日
本棚登録日 : 2023年2月19日

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