“ゼロからトースターを作ってみた結果“という本の著者が、“ほとんど無害“という本が大好きだと語っていたので、今シリーズ1作目を読み始めてみた。
元々はラジオドラマだったらしく、ラジオドラマでやるような少し緩い語りのSF作品という感じだった。
平凡な地球人でありながら、宇宙に放り出されるより辛い拷問であるヴォゴン人の詩の朗読(フォードは苦しみのあまり絶叫するほど)に淡々と感想を述べて空気を変える主人公アーサーp88、
破壊された地球から主人公を救い出して一緒にヒッチハイクしていく説明役フォード、
犯罪歴があり、目立つのが仕事の大統領で顔が2つ手が3本、フォードのいとこでもあるゼイフォード、
開閉に喜びを感じるドアを忌々しく思う口の悪いロボット、使われるのが嬉しく無駄口の多いロボットなど。
登場人物の個性や、細かな舞台設定が面白い。
実はネズミは人間よりも賢く、人間によるネズミ実験で色々と情報を得ているが、それはネズミ側から教えてやっているのだという。
そして地球は超ハイスペックなコンピューターであり、あと5分で解明できた謎が地球破壊により潰えた。そして地球の生き残りであるアーサーの脳に謎の解明に繋がる断片があるはずだとねずみは考え、脳をくれないかと言い出す。
ちなみに“ほとんど無害“とは、銀河ヒッチハイク・ガイドにおいて、『地球』についての解説文である。(惑星が膨大すぎて地球はマイナーであり、元々は無害としか書かれてなかったのをフォードが15年間の滞在の末、ほとんど無害に更新した。)
〜美しいことで有名な惑星ベスセラミンでは、大量の観光客のせいで侵食が進むのを憂慮し、惑星滞在中に摂取した量と排泄した量に差があると、出国する時にその正味差分を外科的に切除されることになっている。なので、トイレに行ったら何があっても必ずレシートを貰っておかなくてはならない。p104
↑トイレでレシートを貰うという発想が面白くてお気に入りだ。
生命、宇宙、そして万物とは一体なにか?
超ウルトラスーパーコンピュータが750万年かけて計算した答えは『42』
- 感想投稿日 : 2024年3月26日
- 読了日 : 2024年3月25日
- 本棚登録日 : 2024年1月31日
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