キャズム: ハイテクをブレイクさせる超マーケティング理論

  • 翔泳社 (2002年1月1日発売)
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キャズム(chasm)とは、「深い裂け目、亀裂」の意味。ムーアは、少数の進歩派によって構成される初期市場と、一般的な利用者からなる主流市場との間にはキャズムがあると指摘。多くのハイテク製品が初期市場では成功するにもかかわらず、一般市場への浸透に失敗することを、キャズムに陥ると表現している。

この失敗は一言で言えば、顧客の購買心理を適切に把握していないためである。初期市場を構成するイノベーター、ビジョナリーと、初期多数派市場を占める実利主義者とは、その購買心理がまったく異なる。

例えば、初期市場に受け入れられるハイテク製品の場合、それが斬新で未来を変革するパワーを秘めているならば、イノベーターやビジョナリーは、少々使い勝手が悪くても利用する。一方、初期多数派の実利主義者は、生産性の向上やコスト削減など実利的な面を重視する。

こういった点を考慮できていない場合、ハイテク製品はキャズムを超えることができず、失敗に終わることになる。

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感想投稿日 : 2011年7月2日
本棚登録日 : 2011年7月2日

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