先日読み終えた「第三の時効」から横山秀夫作品を続け読み。
続けて手にさせられたのは「第三の時効」が素晴らしかったから。
それ故にどうしても比較してしまう...
比較すると☆3.5、本書だけで評価するなら☆4つといったところです。
本書もいわゆる警察物で、「第三の時効」同様に6作からなる短編物です。
ちょっとマニアックなのが、本作の主人公・平野瑞穂(23歳)、階級は巡査でD県警の機動鑑識班に所属する「似顔絵婦警」という設定。
見たことありますよね?交番の前とかに貼ってある似顔絵、それを専門で描く婦警が主人公です。
と言っても、署内の移動で犯罪被害者支援対策室(電話相談室)や強行捜査係での活躍も描かれています。
様々な設定の中で瑞穂は警官として、女性としての悩みを抱えながら彼女独自の視点から犯人逮捕へ奔走します。
正義感が強く、謎があれば追及しないといられない瑞穂、時には自分の職務を超えてでも真実を解き明かそうとする瑞穂の姿にグイグイ引き込まれていきましま。
それぞれの短編自体もミステリー作品としても楽しめますし、「第三の時効」同様に各ストーリーの最後で語る一言が一層の深みを与えてくれています。
本書の最後で機動鑑識班に戻った瑞穂、きっとそのうち再登場してくるための布石なんだろうな。
「だから女は使えねぇ!」鑑識課長の一言に傷つきながら、ひたむきに己の職務に忠実に立ち向かう似顔絵婦警・平野瑞穂。瑞穂が描くのは、 犯罪者の心の闇。追い詰めるのは「顔なき犯人」。鮮やかなヒロインが活躍する異色のD県警シリーズ。
内容(「BOOK」データベースより)
「だから女は使えねぇ!」鑑識課長の一言に傷つきながら、ひたむきに己の職務に忠実に立ち向かう似顔絵婦警・平野瑞穂。瑞穂が描くのは、犯罪者の心の闇。追い詰めるのは「顔なき犯人」。鮮やかなヒロインが活躍する異色のD県警シリーズ。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
横山/秀夫
1957年東京生まれ。1998年『陰の季節』で第5回松本清張賞を受賞。2000年『動機』で第53回日本推理作家協会賞短編部門を受賞。2002年『半落ち』が各ミステリーランキングのベスト1に輝き、一躍、人気作家となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
- 感想投稿日 : 2023年12月1日
- 読了日 : 2023年12月1日
- 本棚登録日 : 2019年11月19日
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