勇太(ユタ)は父を事故で亡くし、母と二人東北の山間の村に越してきました。
彼は東京もんとしてなかなか受け入れて貰えず、寂しい日々を送っていました。
そんな時仲良しの釜焚きの寅吉爺さんから、座敷童の話を聞き母の働く宿の一室に一人で泊まる事にしました。
すると座敷童のペドロ達が現れ、彼を仲間として受け入れてくれました。彼はそれから度々座敷童達と時間を共にし、彼らがどうして座敷童になったのかを知ります。
座敷童達は皆、村の凶作の時に口減らしとして行われていた「間引き」で命を奪われた子供達だったのです。
彼らは優しく、時に厳しくユタと接し、座敷童達の境遇や想いに触れたユタは次第に自分を鍛え、村の子どもたちに受け入れられて行くのでした。
そんな時にユタと座敷童たちにある事件が・・・・。
ペドロはじめ座敷童の面々は、生きたくても生きられず、成仏したくとも成仏も出来ず、人を恨むでも無くただただ身を寄せ合って暮らしています。いつまで果てるともしれない時間の中を。
言葉の端々に彼らのやるせなさが滲み出ます、俺が人間だったらなあ・・・、母ちゃんただいまって言いたいなあ・・・、お盆にやってくる霊たちにこんな姿見られたくないから隠れてるんだ・・・。
あー駄目だ書いているだけで泣けてきてしまう。
一言だけ言えることは、もっともっと彼らと一緒の時間を過ごしたかったです。3倍くらいのボリュームが有ってもよかったくらいです。これ子供の頃に読みたかったです。結構寂しい子供だった自覚は有るのでこの本読んでいたらきっと座敷童に会いたくて古い家に泊まりに行ってたと思います。
- 感想投稿日 : 2015年9月21日
- 読了日 : 2015年6月8日
- 本棚登録日 : 2015年9月17日
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