我が逃走

著者 :
  • 平凡社 (2015年5月27日発売)
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本棚登録 : 389
感想 : 55

ベンチャー企業の創業者に興味を持ったのは最近の事なので、正直あまり知らなかったのですが先日読んだ「なめらかなお金がめぐる社会」がなかなか良い本だったのでにわかに興味が湧きました。
どんな人なのかを理解するのに良さそうな本を選んでみました。大抵人生失敗した本の方が魅力的ですから。
錚々たる面子が表紙にコメントを寄せていますが、若干いじり入っていて家入氏がどんな人なのかそれだけで分かる感じがします。
どちらかというとハートフル寄りの企業家という今現在の印象ですが、元々は大成功を収めてどんちゃん騒ぎをして自分を見失った人だったんですね。終盤までの彼の姿はまさに成功からいい気になって大転落した人の末路です。
転落に転落を重ねて、今の姿に近づいてくるのですが、この失敗による経験と元々持っているお金への執着の無さ。人見知りなのに人間が好きという特性が重なり合って今の彼があるんですね。
ある意味何度も失敗できるくらい成功出来るんだから本当にすごい才能です。しかもお金を転がしてお金を得たわけでは無くて、アイディアを形にして必要としている人からのお金を巡らせているのですからまさに天才だと思います。
今はお金にあまりならないけれど世の為になる方向に向かっているようで、お金自体の価値はあまり感じていないんでしょう。そこらへんが大散財した原因でもあり、世の中にお金をツールとして還流させようとする姿の基盤でもあると思います。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2019年8月28日
読了日 : 2019年8月22日
本棚登録日 : 2019年8月22日

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