内容(「BOOK」データベースより)
故郷である田舎町を嫌って都会へ出た奔放な弟・猛と、家業を継いで町に残った実直な兄・稔。対照的な生き方をしてきた二人の関係が、幼なじみだった智恵子の死をきっかけに揺らぎはじめる…。映画史に永く刻まれる傑作を監督自らが小説化。第20回三島由紀夫賞候補作。
イケメンで自由で押しの強い弟。流れに任せ地元に残る従順な兄。
絵に描いたような明暗の分かれ方です。同性の兄弟だと比較されるし嫌ですね。自分の兄弟は異性なのでそのへん安心。
田舎の閉鎖的な部分が描かれているのは描かれているのですが、よくある田舎のマイナス面ばかり描いている本でもなく、不思議な解放感と薄明りのようなものを感じます。
ぼろぼろの絆でも皆細々と手繰り寄せて繋ぎ合わせようとする姿がいじらしいのかな。皆投げ出したいと思いながら各々捨てきれない情が湧きあがる所に引き込まれるのかな。
最後まで意外なさわやかさが漂っています。文章がクールだからかもしれません。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2018年7月31日
- 読了日 : 2018年7月30日
- 本棚登録日 : 2018年7月30日
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