沖縄と米軍基地 (角川新書)

著者 :
  • KADOKAWA (2011年9月11日発売)
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感想 : 12
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日本への占領政策としてスタートした米軍の日本駐留は現在も続き、沖縄は「基地依存」を強いられることになった。この現実を私たちはどれだけ真摯に向き合ってきたのか?そういうことを突きつけられました。

僕がこういう本を読み始めたのは防衛省の失言問題に端を発するものでありますが、やはり、僕の沖縄に関する認識もあまりにもなさ過ぎたということを痛感するしだいでありました。しかし、僕自身の感覚でいうと、諸般の事情であまり詳しくはかけませんけれど「米軍基地のある街」で一時期生活をしていたことがありますので、感覚的にはある程度のことはわかっているつもりでしたが、太平洋戦争(ひとによっては大東亜戦争)の末期。沖縄が『捨て石』として扱われ、戦後にいたっては日本に駐留する米軍基地の実に70%以上が集中するようになってしまった。その経緯までは、概要ながら頭の中にはあったのですがここでは沖縄と米軍基地の現状。普天間やグアムの移籍の問題。基地の経済と沖縄の複雑な関係などが記されていて、その点については面白く読めました。

よくこの問題には中央の政治エリートによる沖縄に対する『差別』が存在する、というのは母親が沖縄出身で沖縄戦争で九死に一生を得たといわれる佐藤優氏の言葉ですが、そういったことも踏まえて読んでみると、なおいっそう面白いかと思われます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2012年3月4日
読了日 : 2012年3月4日
本棚登録日 : 2012年3月4日

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