ギリシア神話の世界を漫画化したその第2弾です。スキャンダラスかつ示唆に富んだ「神々の世界」を私たちに親しみやすく紹介されております。10代の時に初めて読みましたが、改めて読み直しても面白かったです。
深遠なるギリシア神話の世界を漫画家、里中満智子先生がコミカライズしたその第2集です。登場する神々は何というのか、喜怒哀楽が旺盛で親しみの持てる存在ばかりです。ここでも大神であるゼウスは人間、神といわずあらゆる女性に手をつけては子供を産ませ、いくら「俺の空」でもここまでのことはやっていないであろうという「性豪伝説」を繰り広げていきます。この規格外ぶりには「神様の特権」というものを強く意識してしまいました。
これをはじめてみたのは10代の頃ですが、今読んでもビックリです。さらには、美の女神であるアフロディテと卓越した技術を持ったヘパイストスへと「結婚」し、それが破綻へと続く道が描かれ、その「宿命」のようなものに唖然としてしまいました。アポロンが自分の持つ恋愛感情ゆえに次々と悲劇を巻き起こしたり、太陽の神であるヘリオスの息子であるパエトンが太陽を運ぶ馬車を駆ってそれが暴走したときにゼウスがやむなく雷の力で彼を殺してしまった話はこれで初めて知ったと改めて思い出しました。
さらには酒の神様であるディオニソスが「神の子」でありながらもその複雑な生い立ちをもって生まれたということ。後半部ではゼウスの支配に不満を持ったギガンテスがオリュンポスの神々に戦いを挑み、「神々の戦争」を繰り広げる部分。メデューサがその美貌から見た人間が石になるという姿に変えられたその経緯が確認できて、なんともいえない気持ちになりました。
- 感想投稿日 : 2013年9月8日
- 読了日 : 2013年9月8日
- 本棚登録日 : 2010年11月13日
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