ショッキングな本でした。この本は南アジアからインドまで、最底辺の人たちを追ったルポルタージュです。僕もこの手の本は結構読みましたが、最近の人が書いたものの中では、出色の本です。
この本は以前読んで相当ショックを受けたので、しばらく自分から遠ざけていたのですが、今回、この記事を書くためにももう一度読み直してみました。これを読んでいると、貧困と無知はとっても仲がいいんだ、ということを改めて思い知らされます。私たちから見ると悲惨な現実を淡々とした筆致で描いていますので、万人受けはいたしませんが、一読して欲しい本の一つです。
貧困・麻薬・障害者…。そして売春問題。この作者の著作の中で一貫して扱われている問題で、これは作者のデビュー作なんですがしょっぱなからカンボジアの不発弾問題で、読んでいた端から鈍器で頭をガーンと殴られたような衝撃を覚えましたね。そして、日本のマスメディアではまず扱われることのない障害者と障害者の施設も克明に記録されていて、これもまた読んでいて、気分が非常に重くなりました。
極めつけはインドで、これは後に紹介する『レンタルチャイルド』に通じるものですが、マフィアによって手足を切り落とされた子供たちが物乞いをしてたり、女性の物乞いが抱いている幼子が実は…。というので完全にノックアウトされました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2011年7月29日
- 読了日 : 2011年7月29日
- 本棚登録日 : 2010年11月6日
みんなの感想をみる