華岡青洲の妻 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (1970年2月3日発売)
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本棚登録 : 1174
感想 : 158
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今更ながらの同書ですが読む気になったきっかけは、ここ数年ずっと冬場に霜焼けが酷くて皮膚科に行ってもさして好転せずにこの冬たまたま出会った漢方軟膏が存外に効き目あり♪

しかもこれは遥か昔の江戸時代にかの華岡青洲が創案した軟膏であると!

この著書の名前は聞いたことがあるし大昔にずいぶん愛読され且つ映画もドラマも大ヒットした記憶があるんだけど、こんなきっかけで初めて読む気になったのであります笑

いやあ青洲の妻と姑との長くて物凄い葛藤の物語だったのですね!
医家の嫁に相応しいと早くから見込まれ請われて嫁いだ加恵と、非の打ち所がないと近辺で評判の姑 於継の二人だったけれど、世間で言うところの嫁姑の関係どころではない静かだが激しい憎悪があらゆる部面で影に日に展開する様が凄いこと!そして間に立つ青洲のいずれにも付かず離れずの絶妙な態度と立ち位置、依って見習うべし⁈

江戸時代に世界で初めて全身麻酔のもと乳癌手術を施し成功した青洲もさることながら、競って自身を捧げて彼に協力し支えたとされる二人の女性の意地と意思の張り合いがなんとも凄まじい。

同時に華岡青洲という人物の断片も知ることが出来て、遅きに失したとは言え遅ればせながらも読めてほんとに良かった‼︎

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年12月28日
読了日 : 2023年12月28日
本棚登録日 : 2023年12月26日

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