カール・セーガン科学と悪霊を語る

  • 新潮社 (1997年9月1日発売)
3.95
  • (18)
  • (6)
  • (15)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 147
感想 : 9
4

ずーっと読みたくてあちこち探し回った一冊。
現在は絶版になっているようで、結局中古品をネットで購入するに至りました。

UFO、地球外生命体、神、悪魔、幽霊etc...
この世の中にはいわゆる似非科学と呼ばれるものが跋扈している。
だまされやすい人の気に入るような、好奇心を刺激するけれど決して理論的でない番組や雑誌がそれを煽りたて、ますます世間一般にトンデモ話が広まっているのが現状だ。
しかし、多くの人はその現状になんとなく妥協し、見て見ぬふりを決め込んでいる。
そういった「今」に一石を投じたい一心で本書は執筆された。
似非科学に騙されないために、似非科学よりも魅力的な科学の世界に足を踏み入れるために、カール・セーガンは力を貸してくれるだろう。

ハードカバー、二段書き、438頁のボリュームはさすがでした。(最近読書ペースがダウンしたのは主にこいつのせい)
最初はとっつきづらいかなと心配していましたが、本腰入れて読み始めたら嵌る嵌る。
誰でも子どもの頃(もしかしたら大人になっても)思い描いた空想の世界。
火星人はタコのような姿をしていて、夜になればベッドの下には得体のしれない怪物が潜んでいる。
しかし、それはあくまで空想の世界であり、本気でのめり込めばあっという間に狂信へと変貌してしまうのでしょう。
著者はそういった空想の世界を全否定したいのではなく、あくまで説明ができる・できないの区別をはっきりさせようとしているのです。
語り口がユーモラスなので退屈しないですし、分厚さに反して非常に読みやすかったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 教養書籍
感想投稿日 : 2014年7月29日
読了日 : 2014年7月29日
本棚登録日 : 2014年5月9日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする