ヴェニスに死す (岩波文庫 赤 434-1)

  • 岩波書店 (2000年5月16日発売)
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本棚登録 : 1107
感想 : 113
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深過ぎる恋に落ちたもの者は破滅に向う、ということを悟らされる物語があると聞いて、手にとって読んでみた。
初老の男が旅先で、美少年に恋をする。厳格だった男は、少年に直面すると自分の老いた肉体がたまらなくいやになり、ついつい化粧までするようになるほど、乙女っぷりを発揮。美しさに憧れを抱き、見ているだけしかできず、エスカレートしてストーカー化してしまう。
恋と情熱が、滑稽で悲惨なものになってしまう物語。
1913年にドイツで書かれ、1960年に訳されたものなので、私の世代では聞き慣れない言葉、堅苦しい漢字が多く登場する。こんな日本語があるのかと、ひとつひとつ辞書で調べて読み進めていくのも勉強になった。
狂気なほど究極で、だけど至福の恋の旅に連れていかれる。苦しくて辛い恋をしているひとと、神秘的な恋に陶酔したいひとにオススメしたい本。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: Tsite マイ棚
感想投稿日 : 2014年10月16日
読了日 : 2014年10月16日
本棚登録日 : 2014年10月16日

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