30分で読める、ブッダ流の精神コントロール術。ブッダの人間哲学の要諦の1つに、「人はほっておくと悪いことを考えがちで、他人に嫉妬する」というものがある。本書では、厳しい修行をすることなく、その問題を回避する工夫を提示している。その工夫とは、自分がネガティブな感情に支配されそうなことに気づいたら、「自分の体の動きの実況中継する」というもの。
たとえば、歩行中にネガティブな感情に侵されたら、「私は右足を出している」「私は左足を出している」「私は前方に進んでいる」と心の中で実況中継をする。床についても寝付けないときは、「私は息を吸っている」「私は息を吐いている」と心の中で実況中継する。このような実況中継により、自分の頭に、悪いことを考える余地を与えないようにするのである。
実は、この方法論は、座禅の目指すところに非常に近い。座禅の本質は「足を組んで座り、微動だにしない」ことにあるのではなく、「呼吸を整えて、心を集中させる」ことにある。座禅指導では、「呼吸による空気(息)の流れを意識する」ように教えられる。これも、心がネガティブな感情に支配されないための工夫なのであろう。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
宗教
- 感想投稿日 : 2014年2月2日
- 読了日 : 2014年2月2日
- 本棚登録日 : 2014年2月2日
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