私の修士論文の参考文献(その1)。発話行為理論の創始者であるオースティンが、自然言語の様相と行為の関係について思索した成果をまとめた本である。
私は長い間、形式論理と集合論を用いて世界中のあらゆることを記述できると考えていた。修士学生の頃は、このアプローチで人工知能を実現しようとしていて、自然言語を形式論理に変換するためのルールとして、発話行為理論を援用しようとしたのである。そのために言語哲学の本をいくつか勉強したうちの1冊。もちろん、このようなアプローチが上手くいくはずもなく、研究成果は箸にも棒にもかからなかったのであるが、私のこれまでの人生において、この時期だけは人工知能というものを前向きに捉えていたことも確かである。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
哲学・論理学
- 感想投稿日 : 2013年2月17日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2013年2月16日
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