▼読了。いいところ、展開のスピーディーさと、文章の簡潔さ。悪いところ、女子がかわいくない。前回は「だがしかしそれがいい」だった、キャラのかわいくなさが、長い続きものになるとすごーく気になる。話が面白いだけに、ものすごーく気になる。つまり、リザが喋りだすと突如だらけ、青葉が語りだすと集中力が切れる。それでも、開いてから読む手が止まらなかったので、やっぱり面白かったのだろう。でも……「是が非でも読もう」感ではなかったかも。「ピンチ!」が巻の最後あたりで出て来れば、もっと良かったかもな~とは思ったけれど。
▼女子をかわいく。そして、男子がときめくお宝シーンがちょこちょこあったら、もっとすごいシリーズになりそうな予感。
▼読了したあと、何が納得できないのか、もっとよく考えてみた。結論、感情ドラマのところの処理がいまひとつなのかもしれない。ストーリーの骨子自体はよくできているし、何よりいいところは、理屈が硬い。これだけきっちりできていたら書くのは早いだろうな、と思う。
▼でも、読んでるほうはどうも燃えないのだ。父親の死を突きつけられても、共感できない。主人公がクールに処理しすぎている部分もあるのかもしれないけど、書き手が意図的に、感情面での表現を抑制しているきらいがある……の、かもしれない。また、主人公が女子キャラを「かわいいな」と思う部分が、いまひとつぼんやりしている。どう文章で言い繕われても納得できない。かわいさ未満なのである。燃えない、萌えない。女子とのトーク部分はどうでもいいから早く黒幕と直接対決して! っていう気持ちになる。その点ではぐだぐだしていないので良いのだけど。
▼結局は、パラメータ的なバランスの比率で、全体的に理屈よりで、共感性みたいなところを犠牲にして成り立っているらしい。個性といえば個性だえど、二作目となって刺激に慣れていると、その箇所がちょっと物足りなくなってしまう。逆に、萌え要素を削ってもいいのかもしれないと思った。
(10/2/3 読了)
- 感想投稿日 : 2010年2月3日
- 読了日 : 2010年2月2日
- 本棚登録日 : 2010年2月2日
みんなの感想をみる