国境越え (新潮文庫 し 25-38)

著者 :
  • 新潮社 (2015年1月28日発売)
2.88
  • (0)
  • (1)
  • (5)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 35
感想 : 7
4

2021.03.01読了 (※図書館で借りる)

 椎名さんがこれまでの旅などで撮りためた写真をならべ、それに合う物語や小説を作ってゆく、という変わった作品。

 椎名作品を読んだことをある方ならおなじみの、「アーム」「諒ちゃん」とか、「壱」「音彦」などの登場人物が出てくる。
 実際、これを読んでいるとどこまでが椎名さんの体験談で、どこからフィクションか分からないが、これほど具体的な描写をしているので、いずれも椎名さんの体験がもとになっているようである。

個人的には、カヌーで川下りをしている最中に高熱をだし、キャンプをして焚火であたたまり何とか難を逃れた「砂州の上の夜」などは緊迫感があって面白かった。
 また、表題作である「国境越え」は、壱・音彦と現地のガイドらとの旅の記録(今回はアルゼンチン付近)で、「そらをみてますないています」の外伝のような位置づけに見えた。

 なぜかサービスシーンも多い。たまに写真と文章が合っていないな、と思えたのと、6本の短編どれも毛色が違うので、好きな作品とそうでない作品が分かれるかもしれない。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: Novel,fiction
感想投稿日 : 2021年3月2日
読了日 : 2021年3月2日
本棚登録日 : 2021年3月2日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする