辻村作品の中でも大好きな部類に入る、特別な作品。再読。
現実にやるとしたらなかなか難しいかもしれない内容だけれど、そうゆうの差し置いて楽しむことができた。
未来を変えたい、そう思って友達を巻き込んで、該当者に対してはひたすら騙し続け、でもみんなの中で友情ができあがっていく。
最後の模試の日、全員が一斉に動き出すところではついつい手に力が入ってしまった。
一番お気に入りはトモの存在。
あすなに対するいつかの想いや、基とトモの関係、バイクのこと、最後にぶわっと回収されて興奮してしまった。
ファンサービスが強くて、この本が集大成というのもうなずける。
郁也、たえさん、りほこ、チヨダコーキ、秋先生などたくさんの人物が登場する。叙述トリックに近い手法はもはや定番になっているけれど、どこかでだまされているんだろう、と思いつつもやっぱりすんなりとだまされてしまう。
叙述トリックと、細やかな心理描写が辻村作品の魅力だな、と改めて思った。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
人間模様
- 感想投稿日 : 2015年5月21日
- 読了日 : 2015年5月21日
- 本棚登録日 : 2015年5月21日
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