温室デイズ

著者 :
  • KADOKAWA (2006年7月1日発売)
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本棚登録 : 2355
感想 : 446
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瀬尾まいこさんの本って、テーマは重いけど何故か暗い気持ちにならずに読める。
登場人物が不自然にふざけているわけでもないのに不思議。
いつも熱中して読めるので、見かけてつい手に取ってしまった。

学級崩壊やいじめのお話。

まず、色々な戦い方があるんだなあって思った。
・小学校時代、いじめる側だったみちるは正攻法で戦おうとしていじめられてしまう。
 そして、いじめ続けられても学校に行く。
・小学校時代、いじめられる側だった優子は、教室から外に出る。
 そこから色々経て、伊佐くんのカウンセリングをしてみちるを助けようとする。
 (ただカウンセリングをどうつなげたかったかは謎。。)
・小学校時代、一度不登校になった斎藤くんは、自ら「有能なパシリ」になる。
 他の誰かが「パシらされる」のを防いだり、いじめられてるみちるにも自然に話しかけて良い存在になる。
何か出来事があったときに、人によって対処が違うのは、それぞれの持ってる背景が違うからなんだなあ、、と気付かされる。
自分と同じ対処を人に求めちゃいけないよなと、目的は一緒でも、その人にあった手段が色々ある。

あとは、みちるのお父さんと、吉川先生の愛にグッときた。。
自分が親になったのもあるが、みちるのお父さんの涙のシーンには泣いてしまった。
いじめたやつは許せない、そして子供には辛い思いさせたくない、逃げて欲しい。そう思うよなあ。
吉川先生の、覚悟を決めたところ、強いなあ。。って思った。強い人は穏やかなんだ。ミチルへの想いが素敵だなあって思った。
みちるのお父さんと、吉川先生は、本人の気持ちの描写があったわけではないのに、行動や会話から溢れる愛情を感じた。すごいなあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説・エッセイ
感想投稿日 : 2020年12月5日
読了日 : 2020年12月2日
本棚登録日 : 2020年11月22日

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