anego (小学館文庫 は 5-2)

著者 :
  • 小学館 (2007年6月6日発売)
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本棚登録 : 1034
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30代のおんなの心と生活と価値観と両親との関係があまりにもリアルで、「身に覚えのある私達」は途中から主人公の幸せを祈るように読んだ。林真理子は「働く女性たちにどうかいいことがありますようにという、祈りを込めて小説を書く」と言う割に、こんな怖ろしい結末を用意して、まるで突然掌を返したように「不倫はいけませんよ」などと教科書ヅラするのはなんなのだろう。奈央子みたいに周囲に自らに誠実に生きてきた女性が、(家族はともかく)見ず知らずの人から狂ったような罵倒されなきゃならないほどの不倫とも言えない恋をして報われないなんて、ちょっとあんまりじゃない?と思う、思うけど、この小説が、世間的お利口さんなんかやめてもっとワガママに小狡く生きたっていいんじゃない?という林真理子からの提案であるならば、溜飲を下げようか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: こころにのこる小説
感想投稿日 : 2019年5月5日
読了日 : 2019年5月4日
本棚登録日 : 2019年5月5日

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