武士の娘 (ちくま文庫 す 7-1)

  • 筑摩書房 (1994年1月24日発売)
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感想 : 55
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父親が武士出身で、明治時代武士という職業・階級が無くなってからの家族の生活を書いた自伝的小説。アメリカの雑誌に連載されたのが反響を呼び、大正時代に7か国語に翻訳されたという。著者は日本人だが、本書は英語で書かれ、日本語に逆翻訳されている。
当時の上流の生活を知る、とても貴重な資料と呼ばれているそうだ。侍としての特権階級が無くなった後も、ある程度いい生活を送った著者。古き良き時代を懐かしむ前半と、家族に決められた結婚で、夫の仕事に同伴しアメリカに住むことになり、そこでの子育てを書いた後半から成る。
今の価値観からすると、やはり家族が決めた人と顔も見ないで結婚することを受け入れるのがすごいと思う。そういうものだと子どものころから思っているので、ホームシックにもならないそうだ。アメリカに渡り、カルチャーショックを受けつつも現地での生活に順応し、帰国後アメリカに帰りたがる子どもたちを連れて再びアメリカに移り住み自分で稼ぐところに女性の強さが見える。
すごいな、とは思ったが、冗長で読み終わるのに時間がかかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2017年4月18日
読了日 : 2017年4月18日
本棚登録日 : 2017年4月18日

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