ある意味平凡で善良な一市民の2人が、「特筆すべきも無いが非道徳な行い」によって足元を掬われ崩壊していく様を、徹底的に削ぎ落とされた文章で綴っていく。
展開も着地点も読めないままに読み進めていくある種の緊張感は新鮮な読書体験だった。
音楽家の仕事ぶりだけはやたら綿密に描写され、だからこその(笑ってしまいそうな)ラストの衝撃は圧巻だった。よく練られている。
タイトルも含め機知に富んだブラックユーモア。
好き。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
未設定
- 感想投稿日 : 2023年9月12日
- 読了日 : 2023年7月13日
- 本棚登録日 : 2023年7月13日
みんなの感想をみる