阿修羅ガール (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社 (2005年4月24日発売)
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本棚登録 : 3446
感想 : 521
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疾走感とハチャメチャ感が満載! パンクでキュートな少女の思考を味わえる作品 #阿修羅ガール

またもや変態世界に引き込まれてしまった…

相変わらずのグルーヴ満載の文章で、もはや文字の麻薬。少女のパンクな脳みその中を、山盛りで堪能させていただきました。

本作はなんといっても主人公の少女が最高!

彼女はなにもかも楽しいことが最優先で、自分の気持ちに鬼正直。純粋で幼稚で馬鹿な魅力がたっぷり伝わってきました。しかしこれは真理だと思いますよ。

仕事、政治、人間関係、経済、社会、戦争、宗教などなど、生きていると考えないといけないことがいっぱいあるけれど、楽しんで生きなきゃ自分に嘘をつくことになる。所詮、生命が尽きるまでの暇つぶし。死ぬのも含めて楽しめば最高ですわな。

でも「愛」に関しては、乙女な部分を持ってる。めっちゃキュートで愛くるしいの。完全に爆裂少女に翻弄されまくった作品でした。

例によって完全に人を選ぶ舞上先生の純文学でしたが、私は大好きです。

■推しポイント
我が国 日本には死刑制度というのがあります。
賛否ありますが、現存している以上、現代にも必要なんでしょう。
ただ本書を読むと、主人公の少女から伝わってくる想いがひとつあります。

どんな奴でも良いところがひとつくらいあるでしょ。前向きに楽しく生きようよ。

これが人としての素直な願い、人を思いやる気持ちだと思いますね。
まぁもちろん、悪いことなんてやらないで欲しいけどさ。なかなか難しいですね。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリー以外その他
感想投稿日 : 2022年11月22日
読了日 : 2022年11月22日
本棚登録日 : 2022年11月22日

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